昨今の副業ブーム。
副業で収入を増やしてより良い生活を送りたいと考えるのは公務員も同じことですよね。
しかし、公務員が副業を禁じられているのは周知の事実。
公務員は国家及び国民の奉仕者として、職務専念義務が課されています。
この記事では公務員が副業を禁止されている理由を説明した後に、公務員でも法的に可能な副業のやり方について紹介します。
別の記事でも「公務員の副業」について紹介しています。
是非、参考にして下さい。(参考↓↓↓)
【公務員の副業】なぜ禁止されているのか?
そもそも、なぜ公務員は副業を禁止されているのでしょうか?
利益相反の回避
公務員が副業を行うことで、公務と副業の間に利益相反が生じる可能性があります。
公務員は、公共の利益や公正な行政活動を優先し、個人的な利益を追求してはなりません。
副業によって公務員の判断が影響を受けることで、行政の中立性や公正性が損なわれる恐れがあります。
「利益相反」とは二者以上の利益が対立することをいいます。
【利益相反とは】
公務員であれば、公務員個人の利益の追求と公共の利益の追求は相反する事になりますので、公務員の副業は禁止される事になります。
専念義務の確保
務員は、公共の福祉や行政の円滑な運営のために専念することが求められます。
副業を行うことで、公務への専念が欠ける恐れがあり、公務に支障をきたす可能性があります。
公務員の職務は重要であり、専念することが必要なため、副業は制限されています。
職務外活動の制限
務員は、職務外活動の制限を受けます。
副業によって公務に支障をきたす恐れがある場合や、公務員としての品位や信用を損なうような副業は禁止されます。
また、公務員が政治活動や特定の業種での副業を行うことも制限されます。
職務遂行の妨げ
副業に時間やエネルギーを割くことで、公務員の職務遂行に支障をきたす可能性があります。
公務員が副業に時間や労力を費やすことで、公共の利益やサービスの提供に支障が生じる恐れがあります。
特に、災害対応や緊急事態においては、公務員が全力で公務に傾けられることが求められます。
公務員の副業を禁止している法律とは?
公務員の副業は国家公務員法103条と地方公務員法第38条で禁止されています。
ただし、国家公務員法103条と地方公務員法第38条の2項(アンダーラインの部分)に注目して下さい!
この2項の規定が法的根拠となり、公務員でも副業が可能なのです。
国家公務員法103条は国家公務員の方の副業を禁止している法律です。
2項の「所轄庁の長の申出により人事院の承認を得た場合には、これを適用しない。」に注目して下さい!
国家公務員は、この国家公務員法103条の2項を根拠に副業が可能となります。
国家公務員とは国の機関に勤める公務員です。 文部科学省、財務省などの各省庁の職員や裁判所の職員、自衛隊員、刑務所などの刑務官がこれにあたります。
地方公務員とは地方公共団体の機関に勤める公務員です。 都道府県の職員、市町村の職員、さらに警察官、消防官(士)などがこれにあたります。
【公務員の副業は禁止】国家公務員法103条で認められる副業
国家公務員法103条1項で国家公務員の副業は禁止されていますが、2項で条件付きで副業が認められています!
国家公務員とは文部科学省、財務省などの各省庁の職員や裁判所の職員、自衛隊員、刑務所などの刑務官の方ですね。
国家公務員法103条
1項は、会社などの役員や顧問を兼業したり、自ら営利企業を営むことを禁止しています。
つまり、この国家公務員法103条1項で国家公務員は副業が禁止されています。
注目すべきは2項です。
2項は、「人事院規則の規定に従って、所官庁の長の申請により人事院の承認があれば、前項(1項)は適用しない」と書いてあります。
最後に書いてある「前項(1項)は適用しない」とは、「会社の役員や顧問を兼業したり、自ら営利企業を営むことを認めます」と規定しているのです。
つまり、国家公務員法103条には、「人事院規則の規定に従って、所官庁の長の申請により人事院の承認があれば、会社の役員や顧問を兼業したり、自ら営利企業を営むことができます。」と書いてあります。
それでは、人事院規則について見ていきましょう!
人委員会規則の規定
国家公務員法103条に関する人事委員会規則については人事院規則14―8(営利企業の役員等との兼業)及び人事院規則14―8(営利企業の役員等との兼業)の運用について)で規定されています。
人事院規則14―8(営利企業の役員等との兼業)1項のアンダーラインに注目して下さい!
アンダーラインの部分を副業に照らして要約します。
「国家公務員が副業を行う場合は、国家公務員が現在行っている職務と、行おうとしている副業に利害関係がないなら承認します!」と解釈できます。
さらに人事院規則14―8(営利企業の役員等との兼業)の運用について)のアンダーラインに注目して下さい!
アンダーラインは「自営」を限定(説明)しています。
つまり、この条文上、これ以外は「自営」ではないのです。
「自営」にならなければ許可や届け出は必要ないことになります!
許可や届け出が必要でないなら完全に自由にできます。
次に、黄色のアンダーラインに注目して下さい。
不動産と太陽光発電について限定的に説明されています。
つまり、黄色のアンダーライン以外(未満)は自由に行えることが規定されています!
要約すれば、次に記載している不動産経営と太陽光発電の営業は「自営」にあたらないので承認なしで行えることになります。
不動産賃貸の場合
・独立家屋の賃貸については、独立家屋の数が4棟以下であること。
・独立家屋以外の建物の賃貸については、貸与することができる独立的に区画された一の部分の数が9室以下であること。
・土地の賃貸については、賃貸契約の件数が9件以下であること。
・賃貸に係る不動産が劇場、映画館、ゴルフ練習場等の娯楽集会、遊技等のための設備を設けたものでないこと。
・賃貸に係る建物が旅館、ホテル等特定の業務の用に供するものでないこと。
駐車場の場合
・建築物である駐車場又は機械設備を設けた駐車場でないこと。
・駐車台数が9台以下であること。
不動産又は駐車場の賃貸に係る賃貸料収入の額が年額500万円未満である事
太陽光の場合
太陽光電気の販売に係る太陽光発電設備の定格出力が10キロワット未満である場合
上記の不動産経営と太陽光電気の販売であれば、承認なしに自由に行えます。
それ以上の場合は承認を得れば、副業として活動する事が可能なのです。
不動産運経営については、別の記事(【公務員の副業】最強のおすすめは何?バレない方法について)でも詳しく紹介していますので、参考にして下さい。
不動産経営の書籍ではロバート・キヨサキ氏著書の「金持ち父さん 貧乏父さん」が有名です。
私も読みましたが、不動産投資のアイディアが凝縮された書籍です。
不動産投資を始められる方は、是非、読んでみて下さい!
【公務員の副業は禁止】地方公務員法第38条で認められる副業
次は地方公務員法第38条を見てみましょう!
地方公務員法第38条1項で地方公務員の副業は禁止されていますが、2項で条件付きで副業が認められています!
地方公務員とは 都道府県の職員、市町村の職員、さらに警察官、消防官(士)などの方ですね。
アンダーラインに注目して!
地方公務員法第38条
地方公務員法第38条1項も国家公務員法103条1項と同じく、会社などの役員や顧問を兼業したり、自ら営利企業を営むことを禁止しています。
地方公務員は、地方公務員法第38条1項の規定により副業が禁止されています。
しかし地方公務員法第38条1項の前半に注目して下さい!
「任命権者の許可を受けなければ…」と書いてあります。
さらに、2項は「人事委員会は、人事委員会規則により任命権者の許可の基準を定めることができる。」と規定しています。
つまり、地方公務員法第38条には「任命権者の許可を受ければ、会社の役員や顧問を兼業したり、自ら営利企業を営むことができます。さらに、人事委員会は、任命権者の許可の基準については人事委員会規則で規定します。」と書いてあります。
それでは任命権者の許可基準である人事委員会規則を見てみましょう!
人事委員会規則
地方公務員法第38条にある人事委員会規則については、各都道府県毎に定められていますが、地方公務員法第38条第2項の「任命権者の許可の基準」については全ての都道府県で統一された基準です。
確かに、都道府県毎に許可基準がバラバラだと不公平だよね…。
条文の書き方は各都道府県で違うけど、内容は全て同じです。
北海道:人事委員会規則(任命権者の許可基準)
まずは日本の北側から行きましょう!
北海道人事委員会規則の任命権者許可基準です
東京都:人事委員会規則(任命権者の許可基準)
次は日本の首都である東京都を見てみましょう。
東京都人事委員会規則の任命権者許可基準です
大阪府:人事委員会規則(任命権者の許可基準)
次は大阪府を見てみましょう。
大阪府人事委員会規則の任命権者許可基準です
福岡県:人事委員会規則(任命権者の許可基準)
最後に福岡県を見てみましょう。
福岡県人事委員会規則の任命権者許可基準です。
【結論】各都道府県の人事委員会規則に規定されている任命権者の許可の基準とは?
各都道府県の人事委員会規則に規定される「任命権者の許可の基準」
1 職務の遂行に支障を及ぼすおそれのない場合
2 職員の職との間に特別な利害関係がなく、又は生ずるおそれのない場合
3 職員の職の信用を傷け、又は職員の職全体の不名誉となるおそれがない場合
法律の言い回しって難しく書いてありますよね…。
結局、大阪府の人事委員会規則にかかれている許可の基準が最も分かりやすいですね。
【まとめ】公務員の副業は禁止されているが条件を満たせば可能!
公務員の副業は国家公務員法103条と地方公務員法第38条で禁止されています。
しかし、法に従い申請すれば副業は可能です。
国家公務員の場合
不動産賃貸の場合
・独立家屋の賃貸については、独立家屋の数が4棟以下であること。
・独立家屋以外の建物の賃貸については、貸与することができる独立的に区画された一の部分の数が9室以下であること。
・土地の賃貸については、賃貸契約の件数が9件以下であること。
・賃貸に係る不動産が劇場、映画館、ゴルフ練習場等の娯楽集会、遊技等のための設備を設けたものでないこと。
・賃貸に係る建物が旅館、ホテル等特定の業務の用に供するものでないこと。
駐車場の場合
・建築物である駐車場又は機械設備を設けた駐車場でないこと。
・駐車台数が9台以下であること。
不動産又は駐車場の賃貸に係る賃貸料収入の額が年額500万円未満である事
太陽光の場合
太陽光電気の販売に係る太陽光発電設備の定格出力が10キロワット以下である場合
上記の不動産経営と太陽光電気の販売であれば、承認なしに自由に行えます。
それ以上の場合は承認を得れば、副業として活動する事が可能です。
地方公務員の場合
1 職務の遂行に支障を及ぼすおそれのない場合
2 職員の職との間に特別な利害関係がなく、又は生ずるおそれのない場合
3 職員の職の信用を傷け、又は職員の職全体の不名誉となるおそれがない場合
上記の「任命権者の許可の基準」を満たし、任命権者の許可を受ければ、会社の役員や顧問を兼業したり、自ら営利企業を営むことができます。
公務員におすすめの副業とは
公務員におすすめな副業は不動産経営です。
それは、公務員が不動産経営を行うメリットがたくさんあるからです。
詳しくは別の記事「【公務員の副業】最強のおすすめは何?バレない方法について」でも書いていますので、参考にして下さい。
また、公務員に限らず、副業が職場にバレたくない方はいらっしゃると思います。
正直、副業が職場にバレる可能性はあります。
しかし、これを誤れば必ずバレるポイントがあります。
詳しくは「【公務員の副業】年20万円以下ならバレないってホント!?」で説明しています。
参考にして下さい。
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